おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
 有希は、大きな目を更に大きく見開いた。


 言ってしまった……。用意した、嘘を。もう後には引けない。


「金沢ってすごいヤキモチ妬きでさ、俺と有希の仲を心配してるんだ。だからさ、俺達、会うのはこれっきりにしてくれないか? いや、これっきりにしてほしい。頼む」


 嘘の言葉がすらすらと口をついて出た。自分でも不思議なくらいに。


「ほ、ほんとに? ほんとに愛美さんと結婚するの?」


「ああ、本当だよ」


 有希はきっと、“おめでとう。よかったね?”と言うだろう。ニコニコしながら。


「おめでとう。よかったね?」


 ほらね、予想通りだ。しかし……

 有希の瞳から大粒の涙が零れたのは、俺の予想外だった。


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