おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
 その後、「右かなあ」とか「左かも」とか、少女のあやふやな道案内でずいぶん長い事俺は車を走らせた。かれこれ10キロは走ったのではないだろうか。


「おい、いくらなんでも遠過ぎだろう? どこを走ってるか解ってるのか?」


「えっと……どこ?」


「あのなぁ」


 俺は車を道路の左側に停めると、少女に住所を聞いた。


「そこだったら遥かに手前じゃねえかよ? わざと嘘の道言っただろ?」


「実は……ごめんなさい。ドライブしたかったの」


 そう言って首をすくめる少女を見たら、なぜか怒る気になれなかった。


「ドライブっていうのは、時間がある休みの日とかにするもんだろ? ったく、しょうがねえなぁ」


 と言いながら、俺は少女が言った住所をカーナビにセットした。


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