おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
「新井有希です。新しい“新”に井戸の“井”で新井。有り無しの“有”に希望の“希”で有希」


 コンビニの前で“ユキ”って言ったのは、てっきり適当に言った偽名だと思ってたが、本名だったわけか……


「希望有り、かあ。いい名前だな?」


 そう俺が言うと、有希は即座に「ぜんぜん!」と言った。


「なんで?」


「希望なんて、ないもん」


 拗ねた有希が子供っぽくて可愛かったので、俺は思わず有希の頭に手を乗せた。そして、


「まだ若いのに、そういう事言うんじゃないよ?」


 と言うと、


「年寄り臭い言い方……」


 と有希に言い返され、頭に乗せた手で有希の頭をクシャクシャっとした。


 「年寄り扱いするな!」と言った俺も、「子供扱いしないで!」と言い返した有希も、顔は笑っていた。


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