おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
年相応な相手
 有希の家は何の事はない、俺のアパートから歩いてほんの十数分の所に建つ、10階建てぐらいのマンションだった。“かなり遠い”と言ったのは嘘だったようだが、それを咎める気にはならなかった。


 二人は車を降り、マンションのエントランスの前で立ち止まった。


「お父さんやお母さんに怒られないか?」


 もうすぐ日付が変わるような時刻だからそう言ったのだが、


「それは大丈夫」


 有希はケロッとした顔でそう言った。


「おじさん、今日はありがとう」


「おじさんって言うな!」


「あ、ごめんなさい。えっと、河村さん?」


< 27 / 206 >

この作品をシェア

pagetop