おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
 と、俺は怒鳴っていた。

 いつもと形勢逆転だ。そんならしくない俺の態度に、金沢愛美は一瞬驚いた顔をしたが、


「そうだよね? 河村君の言う通りだよね?」


 そう言って泣き出してしまった。


 いつもは毅然とした彼女だが、その晩の彼女は弱々しく、放ってはおけないと思った。金曜日という事もあり、俺は彼女をアパートに連れ帰った。そして、ベッドを共にしてしまった。もちろん同意の上で。


 その後、金沢愛美は上司との関係を絶ったらしい。ただし、俺と彼女の関係にも変化はなかった。俺は彼女を嫌いじゃないので、男と女の関係になってもいいと思ったのだが、彼女はあの晩の記憶がないかのように、それまでと何ら変わらぬ態度で俺と接していた。


 彼女にとって、あの晩の事はただの成り行きと言うか、アクシデントに過ぎなかったのだろうと思う。

 それを残念に思う気持ちと、ホッとするような気持ちの両方が俺にはある気がする。そんな、俺とは微妙な関係の金沢愛美だったのだが……


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