おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
「はいよ」


 ちょこんと座る有希の前に、湯気が立つマグカップをコトンと置くと、有希は「ありがとう」と言い、両方の白くて小さい手でカップを持ち上げた。


「熱いから、気をつけろよ?」


「うん」


 有希はカップにフーフーと息を吹き掛けてから口を付けると、「美味しい」と言ってニッコリ微笑んだ。


 温風ヒーターが今頃ボーッと着火したが、既にエアコンからの暖気で部屋はだいぶ暖まっていた。


 白かった有希の頬にも、いくらか赤みが差して来たようだ。


「おじさんは飲まないの?」


 おじさん?

 まあ、いいか。


「ん? カップがそれしかないんだよ。あ、俺のカップだけど、嫌だったか?」


「ううん。じゃあ、半分ずつ飲もうよ? はい」


 と言って、有希は俺にマグカップを差し出した。


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