おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
「まあ、一応な。義理チョコを少しだけ」


「嘘ばっかり……」


「え?」


 有希は、パンパンに膨らんだ俺のカバンを見ながらそう言った。


「カバンが凄く膨らんでるじゃない。このあいだはペシャンコだったのに……。チョコがいっぱい入ってるんでしょ?」


「いや、そうでもないよ。去年より少ないし。そう言えば、年々数が減ってる気がするなあ」


 それは間違いないと思う。何年か前までは、カバンに入りきらない程たくさんもらっていたから。世の中でバレンタインが廃れて来てるのか、あるいは俺の人気が年々落ちているのか、理由はよく解らないが。


「見せて?」


 そんな感慨にふけっていたら、有希が俺のカバンに手を伸ばした。


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