おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
「うわぁ、こんなに!? おじさんって、モテるんだね?」


「違うよ。これは全部義理! 前はもっともらえたし……」


「まだあるよね?」


「い、いや、これで全部だと思うけど……」


「うそ。赤いのがチラッと見えたよ?」


 ドキッ!


「気のせいだろ?」


 そう言ってバッグを脇に置いたら、


「見せて!」


「あっ」


 有希は素早い動作で俺のカバンをひったくった。


「おい、やめろって……」


 と言う俺の言葉も空しく、有希はカバンから赤い包みの箱を取り出してしまった。それはもちろん、金沢愛美からもらったチョコの包みだ。


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