おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
「これも義理?」


 有希はちょっと上目遣いに俺をジロッと見て言った。


「だと思うよ。手作りじゃないって言ってたし……」


「“手作りじゃなくてごめんなさい”って言われたの?」


「ん? まあ、そんな感じだったかな」


 実際のところ、金沢愛美がどんな言い方をしたかなんて覚えてなかった。


「だったら義理じゃないじゃん。手作りでもおかしくないって事でしょ?」


「おまえさ、手作りにこだわるけど、おまえだって義理で手作りチョコをくれたじゃん?」


「それは……まあ、そうだけど……」


 俺の追及に、なぜか有希は歯切れが悪かった。


< 46 / 206 >

この作品をシェア

pagetop