おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
「ああ、そうなるな。行きたい所はあるか?」


 俺がそう聞くと、有希は「うーん」と唸ってから、「どこでもいい」と言った。


「どこでも、って言われてもなあ……」


「本当に、どこでもいいんだもん」


「あ、そう」


 困ったなあ。今の時期は海や山は寒いだけだし、遊園地も寒いし第一俺は絶叫マシンは苦手だ。わざわざ金払って危険な目に合う奴らの気が知れない。


「土曜日までに考えておくよ」


「うん。楽しみだなあ」


 嬉しそうに微笑む有希を見て、俺まで楽しい気分になってきた。


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