おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
 金曜日。

 会社で定時を1時間ほど過ぎた頃、俺はパソコンを落として帰る準備をしていた。


 いよいよ明日だなあ……


 正直言って、俺は有希と買い物に行くのをすごく楽しみにしている。いや、正確に言えば、有希に会うのを楽しみにしている、と言うべきだろう。

 アパートに帰る度に、バレンタインの日のように、ドアの前で有希がうずくまってやしないかと、期待する俺がいた。そしていないと解ると、がっかりする俺が……


 しかしこの感情が何なのか、実は自分でもよく解っていない。

 俺は有希が好きだ。それは間違いない。だが、それが恋愛感情なのかと言うと、どうなのだろう……


< 63 / 206 >

この作品をシェア

pagetop