おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
 何て答えようか……

 ネットで調べたと言おうかとも思ったが、俺は嘘を付くのはあまり好きじゃない。という事で正直に話す事にした。

 ただし、有希への不可解な感情は隠して。


「えっと……近所の女の子から」


「それって、どういう状況?」


 うーん、そう来たか……。そりゃあ、そうだよなあ。

 金沢にもらったチョコを俺がこれ見ようがしに持って歩き、通り掛かりの女の子から“おじさん、そのチョコ高級品だよ”と言われた、なんて話はあるわけないもんなあ……


「まあ、それはそうと、食おうよ? 腹減っちまったよ」


 俺は金沢のと自分の小皿に醤油を垂らし、刺身の盛り合わせのワサビをちょいと摘んで醤油に溶かした。そして、


「このマグロ美味そう。本マグロかな?」


 と言って金沢に笑い掛けたのだが、金沢はキツイ目で俺を睨んでいた。


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