イジワル先輩の甘い恋の魔法



来校者が来たらここから入るんだろうなぁと思わせるような立派で広い玄関。


カバンの中からスリッパを出して履き替えた。



「事務室は職員室の隣で2階です」



前田さんの言葉に頷いて、前を歩く前田さんについて歩いた。


今は夏休みで静かな校舎。


遠くの方から吹奏楽部の練習している楽器の音が聞こえくる。


普段は生徒たちで賑やかなんだろうな……。


2階は、階段を挟んで廊下の左側に職員室と事務室、他に保健室や校長室、会議室などがあった。


右側1年生の教室がA〜Dまで4クラスある。


スリッパの音をなるべくさせないように歩くけど、ペタペタと音が静かな廊下に響く。



「ここで待っていて下さい」


「はい」



前田さんは事務室のドアをノックして、ドアを開けると中に入った。


私は前田さんの指示通りに事務室前の廊下に立って待っていた。




< 10 / 115 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop