イジワル先輩の甘い恋の魔法
しばらく経って、前田さんと一緒に事務室から出て来たのは、見た目は40代半ばくらいの女性の職員さんだった。
「高原さん、こちら高原さんの指導をしてくれる宮崎(ミヤザキ)さん」
「あ、今日からお世話になります高原姫子、です。宜しくお願いします」
私は頭をペコリと下げた。
「宮崎です。校長室に案内しますね」
宮崎さんはニコリともせず、私の頭の先から足の先までをジロリと見たあと、そう言って校長室に向かってスタスタ歩き出した。
その後ろに前田さん。
一番後ろを私がついて歩く。
出だしから挫かれた……。
やって行けるんだろうか……。
私の頭の中は不安という二文字でいっぱいだった。