イジワル先輩の甘い恋の魔法
事務室に入った。
パソコンの画面を食い入るように見ている自分の父親くらいの男性が1人。
他にパソコンで仕事をしている3人は女性だった。
特に自己紹介をするわけでもなく、私をチラリと見て頭を下げる人もいれば、見るだけですぐにパソコンの画面に目を戻す人もいた。
「派遣さんの机はここね」
派遣、さん?
今まで、いろんなところに派遣で行ったけど、派遣さんと呼ばれたのは初めてだった。
なんか壁を作られたようで気分が悪い。
でもそんなこと言えるわけもなく……。
「はい」
と、素直に返事をして荷物を椅子に置いた。