イジワル先輩の甘い恋の魔法




「何も聞いてなくて……すみません……」



宮崎さんがワザとらしく大きな溜息をつき、こちらをチラリと見た。



「あの、買いに出ても大丈夫ですか?」


「それはいいけど、午後からの業務時間には間に合うようにね!」


「はい」



宮崎さんは少しキツくそう言うと、椅子から立ち上がり事務室を出て行った。


それと同時に他の事務員さんがお弁当とペットボトルのお茶を持って事務室に戻って来る。


3人で笑顔で話をしながら楽しそうに。


私と年齢もそう変わらないくらいの若い事務員さん。


まるで空気のような扱いを受ける私。


ヤバイ、泣きそう……。


私は涙を堪えながら、事務室を出てロッカールームに行った。




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