イジワル先輩の甘い恋の魔法
「あれ?姫ブーじゃね?」
私の斜め後ろから、男性の声が聞こえてきた。
えっ?
空を見上げていた顔を戻す。
てか、何でそのあだ名を……。
あの頃の、高校生の頃の嫌な記憶が蘇る。
「やっぱ姫ブーじゃん!」
誰かが私の横に立っていた。
そちらにゆっくりと向き、顔を上げていく。
白衣を着た男の顔を見て声にならない驚きがあった。
笑顔で私を見下ろしている男。
な、なんでいるの!?