イジワル先輩の甘い恋の魔法
「てかさ、お前、昼メシこんだけで足りるの?」
「はっ?」
「ほら、高校ん時はデカイ弁当箱だったじゃん?」
まぁ、確かに高校の時はデカイ弁当箱だったけど。
てか、今そんなこと言わなくても良くない?
本当に昔から変わってないよね。
人を見下したその態度と性格。
「昔の私とは違うんです!」
「それは失礼しました」
黒崎先輩は笑いながらヘラヘラとそう言った。
携帯灰皿に短くなったタバコを押し付ける黒崎先輩。
ベンチの背もたれに背中を押し付け、空を見上げる黒崎先輩の横顔をチラリと見た。
綺麗な顎のライン。
少し長めの黒い髪。
筋の通った鼻、男性にしては色白な肌。
整ったイケメンな顔なのに性格は残念なんだよね……。