イジワル先輩の甘い恋の魔法
「……って!」
コンビニ袋が黒崎先輩の頭に当たった。
地面に落ちるコンビニ袋を黒崎先輩が拾い上げる。
「それ、捨てといて下さいね!」
「何だよ、それ。人使い荒いな」
私は黒崎先輩を無視して、カツカツとヒールの音をワザと大きく鳴らしながら歩いた。
「なぁ?姫ブー?」
だーかーらー!
私は黒崎先輩の方に振り向く。
「昔のあだ名で呼ばないで下さい!」
「いいだろ?別に。それより今日暇?」
「だったら何なんですか?」
「飲みに行かね?お前の歓迎会してやるよ」
「はぁ?結構です!」
「17時に校門前で待ってて?」
「行きませから!」
私はそう言って、黒崎先輩に背を向けると更に大きくヒールの音を鳴らしながら教職員の下駄箱に向かって歩いた。