イジワル先輩の甘い恋の魔法
「もうすぐチャイム鳴るぞ〜!」
と言う声と同時に頭に軽い衝撃があった。
「いたっ!」
私の隣にニヤニヤした黒崎先輩が立っていて、持っていた本で頭を叩かれたことがわかった。
「入らねぇの?」
「入りたいのに入れないんです!」
「ふーん」
中からは、まだ私の悪口大会で盛り上がってる。
「派遣さん、まだ戻らないの?」
「仕事ないから戻って来なくていいけどね。ボーと座ってるだけで目障りだし」
また笑い声が聞こえてきた。
「お前、嫌われてんの?」
「そうみたいですね」
私は笑うしかなかった。
その時、黒崎先輩が事務室のドアを開ける。
「ちょ!ちょっと!」
私は黒崎先輩の白衣の袖を引っ張ったけど遅かった。
ヤツは事務室の中にズカズカと入って行ってしまった。
私も中に入る。
黒崎先輩の白衣を掴んでるのに気付き、慌てて離した。