イジワル先輩の甘い恋の魔法
「ホッチキスの針で刺したの?」
「そ、そうですけど?」
どうせ笑うんでしょ?
笑いなさいよ。
…………でも。
「バーカ」
そう言った黒崎先輩は私の親指を口に入れた。
えっ?ちょ、ちょっと!
く、黒崎、先輩?
針が刺さったところを舌で舐めてるのがわかる。
身体中が熱くなって、ドキドキして、息が出来ないくらい苦しくて、私は固まったまま動けなかった。
口から指を離した黒崎先輩。
「保健室からカットバン貰ってくる」
「えっ?う、うん……」
黒崎先輩はそう言って理科室を出て行った。