イジワル先輩の甘い恋の魔法
理科室の扉が閉まった瞬間、息苦しさから解放されて過呼吸のようになる。
胸はドキドキしっ放し。
何で?
何で、こんなことになってんの?
黒崎先輩の行動がわけわかんない。
いきなりあんなことして……。
“ガラガラ”と、理科室の扉が開く音がした。
“ドキッ”と胸が跳ねる。
「カットバン、貰ってきた」
黒崎先輩が近付いてくる。
「指、出して?」
私は黒崎先輩に指を出した。
黒崎先輩の手が私の指に触れる。
優しく丁寧にカットバンをしてくれる黒崎先輩。
「これでよしっ!気を付けろよ」
「あ、ありがとう、ござい、ます……」
頭がボーとしてる。
その時、授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。