イジワル先輩の甘い恋の魔法
「はぁ……」
口から大きな溜息が出た。
ホッチキス留めの作業が寂しさから、だんだん虚しくなってきた。
事務室に戻っても仕事をさせてもらえない。
何でこんなことになっちゃったのかな……。
私、何かした?
そりゃあ、失敗は多いかもしれないけど、でも私だって私なりに一生懸命やってるのに。
辞めたい……。
でも生活するためには辞めれない……。
ヤバイ。
泣きそう。
ホッチキス留めしているプリントが歪んで見えて、私の目に涙が溜まっていく。
鼻水をすすりながらホッチキスを留めていく。
「うっ……ふっ……」
手で涙を拭うけど、次から次へと涙が溢れてくる。
ヤバイ、黒崎先輩が帰って来るかもしれない。
泣き止まないと、何言われるかわからない。
早く泣き止まないと……。