イジワル先輩の甘い恋の魔法
「泣き止んだか?」
どれくらい泣き続けたのかわからないけど、やっと涙が止まった。
私は何も言わずにコクンと頷いた。
「泣き過ぎだろ?」
黒崎先輩がケラケラ笑う。
そんなに笑わなくても……。
「女って、身体のどこにそんな水分溜め込んでるんだ?って思うくらい泣くよな」
黒崎先輩はそう言って“うーん”と背伸びをした。
「そろそろ帰るべ」
そう言って私の頭を撫でる黒崎先輩。
それだけで私の胸は“ドクン”と跳ね上がった。
車をゆっくり走らせる黒崎先輩。
黒崎先輩が側にいるだけで“ドキドキ”する。