イジワル先輩の甘い恋の魔法



派遣初日。


いつもより早くに目が覚めて、6枚切り87円の食パンを焼かずにマーガリンもバターも付けずに、そのまま食べ、コーヒーで流し込んだ。


軽くメイクをして、髪を黒いゴムで後ろで纏め、リクルートスーツに着替えた。


前田さんは派手じゃなければ、服装は何でもいいと言ってたけど、初日だけはリクルートスーツで行こうと決めていた。


派遣先である中学校はアパートから徒歩10分の場所にある。


歩いて行こうか、自転車で行こうか迷ったけど歩いて行くことにした。


朝は職員会議や打ち合わせなどでバタバタするらしいけど、私の出勤時間は他の教員や職員と同じように8時。


今日は初日ということで、学校の校門前に前田さんと8時30分に待ち合わせしていた。


時計の針は8時10分をさしていた。


ヤバッ!


私はクリアファイルに纏めた書類をカバンに突っ込み、スマホを充電器から外して、それと家の鍵を持って家を出た。




< 8 / 115 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop