sakura drop


今だけ…
今だけでいいから


私に“次”がないのなら、

せめて仁と
この満開の桜と共に
時を止めてと
そう..願いたかった。


「……約束な?」


「え?」


仁が小指を差し出す
「ほら、約束♪」


戸惑ってる私の手をとり
仁が小指を絡ませる


「ちょっと、仁?」


「ゆびきりゲンマン♪
嘘ついたら
針千本飲~ます♪
指きった♪
はい、約束な?
嘘ついたら針千本だかんな♪」


――仁?


「俺、マジで飲ますからな?ぜってぇ守れよ?(笑」


「――クスッ。ありがとう、仁。」


「は?なんでありがとうなんだよ、俺はただ約束守れって言っただけだし」


そう言って
そっぽ向く仁は
普段の格好いい姿と違って
なんだか可愛かった


「…いいの、私がありがとうって言いたかったの^^」


「意味わかんねぇ((笑」


「仁だからね(笑」


「おまッ、それどうゆー意味だよ!」


「さぁ?笑」


「さぁ?ってお前、俺が馬鹿だって言いたいんだろ!?」


「えッ?自覚してるの?笑」


「なッ!!~~ッ、もういい帰る!」


完全に拗ねてしまった仁は
スタスタと車に向かって歩き出した。


「あッ、待ってよ仁~。」


「ヤダね!!」


私は仁を追いかけるため走り出した。


それに気付いた仁は
慌てて止める。


「なッ!?――バカ!!走んな!!!」


「少しくらい大丈夫だよ、」


「バカ、発作起きたらどーするんだよ!?」


「だから大丈夫だって、」


「お前が大丈夫でも俺が大丈夫じゃねぇの!」


「――?」



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