あなたの隣で
First

不良

梨乃side


「おい、ごらぁ。聞いてんのか??」

「あ?お前誰だよ」


ひぃぃ!
朝から恐いものを見てしまった。


それも全部お隣りさんの龍のせいだ…


毎日頭がカラフルな人達が龍の家の前……いや、私の家の前に来る。

何故かって?
龍が私を家の前で待っているから。


いつも一緒に登校している。


「龍っ!」

「やっと来たか。行くぞ」

龍はホントは私なんかと一緒に登校したくないんだと思う。


中学1~2年の時は私を避けていて、私がそれで泣いちゃってからかな?

『ごめんな。嫌いになったわけぢゃねーから』

と何度も謝られたっけ。


それからは一緒にいてくれた。



ありがとう、と心の中で呟いたのは内緒。

「うん」


龍の近くまで小走りでいくと後ろからすごーく恐い声が聞こえた。


「風間!俺を無視するんじゃねー!」


こ、こわい…


すっごく怒ってる、不良さんの存在忘れてたよ…



「だからテメェ誰だよ」


龍はギロリと不良さんを睨みつける。


不良さんは、睨まれた恐怖でカチンと固まってしまった。





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