あなたの隣で
さすが、龍。
龍のことを、この町で知らない人はいない。
だって…
金髪ツンツン頭の喧嘩負け無し最強男だから。
オマケにカッコイイんだもん。
私なんかが隣を歩いていいのかな?って思っちゃうくらい。
それに不良のくせに頭が良いの!
羨ましい…
そんな龍のことが私は昔から好きなんだ。
「おら、ボサッとしてんなよ」
「はぁーい」
みんなに告白しないの?なんて聞かれるけど、告白なんてできるわけない。
今の関係が崩れたら嫌だからね…
「梨乃、今日俺ん家来んだろ?」
「うん!」
振られてしまったら、こんなやり取りも出来なくなるからね。
「あ、龍!今日のお昼のジュースは龍の奢りね」
「またかよ。ま、いいけど…どうせリンゴジュースだろ?」