SEASONS【完】
「それじゃあ、またここで会おう。
来る来ないは、美羽の自由。
……会えるのを楽しみにしているよ」
笑顔で頭を撫でられ、そのまま去って行った。
あたしは、無言でその後ろ姿を見送った。
あたし、何をしているの?
水樹が他の女と遊んでいるのが嫌で、泣いていたのに……。
あたしは、他の男の腕の中で泣いた。
キスをした……。
突き放すこともしなかった。
それどころか、手を下ろしてしまった。
それは、受け入れたも同然のこと。
なぜこんなことになってしまったのか分からない。
どこで道を間違えたのか……。
あたしは、水樹に言えない秘密を持ってしまった。