SEASONS【完】



それが、精一杯の強がりだと分かった。


だから、最後ぐらい彼の言う通りにしよう。



あたしは涙を拭き、彼に笑ってみせた。




「そうだよ。
美羽が笑ってくれれば、オレは大丈夫。
いつも笑顔でいて」




彼も笑って言う。


その笑顔に、胸が痛くなる。




「何で喧嘩したのか分からないけど、彼氏だって美羽のこと1番に考えているから。

幸せにね。
それが、オレの願いだよ」




それだけ言って、彼は去って行った。




< 280 / 429 >

この作品をシェア

pagetop