SEASONS【完】
あたしは、完全に涙が止まってから千晃の元へ戻った。
それでも目が腫れている気がするし、涙の筋は出来ているだろうな。
そんな目を気にしながら戻ったそこには、
驚きの光景があった。
だって、ここにいるはずのない人物が千晃の隣に立っている。
あたしの頭は混乱している。
そして、背筋から全身が凍り付いて、足が出せなくて立ち止まったまま。
視線は、目の前の人物を捉えたまま、動かない。
なぜ、ここが分かったのだろう。
でも、ここにいるということは、全てを知られているということ。