SEASONS【完】



あたしは、完全に涙が止まってから千晃の元へ戻った。


それでも目が腫れている気がするし、涙の筋は出来ているだろうな。



そんな目を気にしながら戻ったそこには、

驚きの光景があった。


だって、ここにいるはずのない人物が千晃の隣に立っている。



あたしの頭は混乱している。


そして、背筋から全身が凍り付いて、足が出せなくて立ち止まったまま。


視線は、目の前の人物を捉えたまま、動かない。



なぜ、ここが分かったのだろう。


でも、ここにいるということは、全てを知られているということ。




< 282 / 429 >

この作品をシェア

pagetop