SEASONS【完】



そう考えると、全身が震えてきた。


声も出ないし、足も出ない。


ただ、一定の距離を保って、立っているだけだった。




「ちょっと、そこにいてよ」




沈黙を破って、千晃が隣にいる人物にそう言う。


そのままあたしの元へ来て、小声で言った。




「大丈夫。
彼氏さんにバレたわけじゃないよ」




千晃がにっこり笑う。


そう、千晃の隣には、あたしの彼氏である水樹が立っていた。




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