SEASONS【完】
名前を呼んだら、水樹の抱きしめる力が強くなった。
「俺、美羽に甘えていた。
美羽は、何があっても傍にいてくれるって。
だけどそんな保証、どこにもないんだよな」
しっかりとした口調で話すけど、微かに声は震えていた。
その様子に、胸が痛くなる。
そんなことないと、否定したかった。
だけど実際は、水樹を裏切っている。
だから、何も言えない。
「同じ会社の人だけん、完全に関係を断ち切ることは出来ない。
だけど、美羽の不安にならないように接する。
だけん、別れるとか言わんで?」