SEASONS【完】
「遅くなったけど、誕生日だったじゃん?
プレゼントも兼ねて、受け取って下さい」
混乱しているあたしに、畳み掛けるように言う。
水樹の言う通り、喧嘩中に誕生日を迎えた。
もちろん喧嘩していたから、誕生日なんて祝ってもらっていない。
迷いながらも受け取った小箱の中には、指輪が入っていた。
「えっ!?」
これには、本当に驚いた。
プロポーズに指輪まで準備して。
数分前までは、考えられないような光景。