SEASONS【完】
彼は一体、何を考えて言っているのだろう。
彼の目に、アタシは映っていないのかな。
少しも映してもらえないのかな。
彼を見ていられなくて、俯いてしまう。
俯けば、涙が流れてしまいそうになる。
でも、顔を上げることが出来ない。
「おい、俊っ。
何やっているんだよ、呼ばれているぞ!」
そんな時、少し遠くの方から大きな声がした。
ちらっと見ると、さっきまで人の輪の中心で滑っていた男の人だった。