SEASONS【完】
「とりあえず、遅れちゃうから行こう?」
アタシの質問に答えずに、アタシの手を握り、歩き出した。
アタシは、今の状況が把握出来なくて、黙ってついて行くしかなかった。
会いたかったけど、会いたくなかった。
そんな想いが、未だに頭を駆け巡っている。
この状況を素直に喜べない自分がいる。
手を握られているため、逃げることも出来ない。
俊介くんに引っ張られたままついて行った先は、
ここら辺でも高くて有名なホテルだった。