SEASONS【完】
珍しく、千晃が大きな声を出す。
それは、驚いた声で、美羽の背中をバンバン叩く。
「千晃、痛いよ。
……えっ?」
千晃の声に、不思議に思いながらも顔を上げた。
とたん、目の前にいる人物に驚いた。
そこには、街中で会うとは絶対思わない人物が立っていた。
「美羽、久しぶりだね」
本当に久しぶりだった。
会うのも、声を聞くのも久しぶりだった。
あの別れ以来、偶然でも1度も会わなかった。