SEASONS【完】
今日はタイミングが悪かったのだろうか。
だけど、この日を逃したらもう言えないような気がする。
殴られる覚悟も出来ているし、千晃たちも見守ってくれている。
だから私は、意を決して言った。
「他に好きな人が出来たけん、別れて欲しいです……」
覚悟を決めたとは言え、玲の顔を見ながらは言えなかった。
この場だけが静まり返ったようだ。
空気がひんやり冷たい。
身体中が震えている。
手足の感覚もなくなってきている。