ピアノレッスン
ち、違う。
身体を許したんじゃない。
あれはお兄ちゃんだと思って・・・・・
「お嬢様」
気がつけば、私の隣には秋月が立っていた。
思わず、少し距離を置いてしまう。
「ち、近寄らないで」
もう絶対あんなことしないんだから。
お兄ちゃん以外の人と、あんなこと・・・・
そう思っていると、余計思い出して身体が熱くなっていく。
「伸也様は、山根様のお宅に挨拶に伺うと外出されました」
秋月の声はいつもと変わりなく淡々と響く。