ピアノレッスン
「それに、もっと、とおねだりになったのはお嬢様のほうですよ」


「え?」


まさか、と思いつつもぼんやりと覚えている。


「大丈夫ですよ。最後まで奪ったりはしていませんし、キスも致しません」

秋月は再び口元を緩めると、私のベットの端に腰をおろした。

「私は滅私奉公だと思っておりますから、お嬢様が望むときにしか致しません」

「・・・て、私は最初からそんなこと・・・」

言ってるそばから、再び白手袋が近づく。

今度は頬ではなく、首筋をすっとなぞり鎖骨に落ちた。





びくん




「・・っ」


な、何・・・今の・・・・




「・・・欲しかったら、欲しいと言うんですよ、お嬢様」



微笑みながらも秋月の強気な視線に私は視線をそらせなくなる。
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