ピアノレッスン

4.突然の帰国

それから半日


いつ、何をされるかわからず、必要以上にびくびくして過ごした。


今日からおにいちゃんは梨花さんと海外旅行に行くらしく、お昼には出発してしまった。

パパやママも午後からはどこかに挨拶に行かなきゃいけないらしく顔を見ていない。



使用人さんが何人もいるって言っても・・・




ちらりと振り向くと、秋月はドアの前で凛とした姿勢で立っている。


以前だったら、用がない時は自分の部屋に戻るのに・・・

っていってもすぐ隣の部屋なんだけど・・・・



「秋月、なんでそこにいるわけ？」


恐る恐る口にしてみると、秋月はいきなりつかつかと私に歩み寄ってくる。

思わず昨日のことがフラッシュバックして、私は再び壁に背中を預けてしまった。