ピアノレッスン
「いけません。浩也様!!!」


突然、大声になった秋月にびっくりして顔をあげた。

それと同時に秋月が振り返って、私の耳をふさごうとする。


「お前は、この家から追い出されるんだぞ」


だけど、間に合わなかった。

真剣な顔つきでそう言い放った浩也に、私は驚いて何も言えなくなった。

気がつけば、ぽろぽろと涙をこぼしている私の肩を秋月が強く抱きしめていた。
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