ピアノレッスン
「それ、私の大好きな・・・」

小さいころからそのパスタが大好きな私は、何かあるとそれを注文して作らせた。


「知ってる」


秋月は背を向けたままそうつぶやく。





・・・秋月って・・・






なんだか、胸があったかくなった。



私と、秋月とふたり


広い部屋の中には他に誰もいない。




だけど、リビングに暖炉があるこの部屋はとてもあたたかかった。








「どうぞ」

再びうとうとし始めた私の目の前に出されたおいしそうな香りに

思わずお腹が鳴りそうになる。

でもそのお皿は私の分しか出ていない。
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