ピアノレッスン
あの家を追い出されるってことは・・・

私もお嬢様ではいられなくなるってことよね・・・


そうしたら、当然秋月もいなくなる。




この先、どうしたらいいんだろう・・・




そう思うと、大好物のパスタでも手が止まってしまっていた。





「亜澄」





不意に名前を呼ばれて、私は驚いて顔を上げた。


「大丈夫だから、心配してないで食え」


いつもと違う口調の秋月に驚く。





「・・・それから」



まっすぐに見つめられて、私は思わず開きかけた口を硬く閉じた。


「今夜は、秋月一としてお前を抱く」









ドクンと、大きく心臓が高鳴った。



まっすぐに見つめている瞳は、微塵も揺らいだりしない。
< 31 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop