ピアノレッスン
ドクンドクンと胸が鳴り響き、頬が熱くなった。


手には汗が滲み、思わずカーテンの端を握り締める。









今見た光景が頭の中で自分に摩り替わる。


お兄ちゃんの唇が・・・

手が・・・・







「お嬢様?」

不意に戻ってきた秋月の声に私は慌てて振り返った。


「・・・カーテン、まぶしかったですか?」

秋月はそう言うとカツカツと私の隣にやってきて、閉めきっていないカーテンを引こうとした。






うあ・・・どうしよう。

気づかれちゃう。
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