ピアノレッスン
「俺と・・・ここで一緒に暮らさないか」


腕の中に閉じ込められて、心臓が更に大きく高鳴り始める。


「昨日は・・・悪かった・・・」


小さくつぶやくその声もなぜか弱々しい。


だけど、すぐには答えられなかった。




昨日までお兄ちゃんのことしか考えられなかったのに

急になんて・・・





返事に困っていると、秋月はそっと私を離して立ち上がった。


「返事はすぐでなくてもいい。というか、お前は俺のものだからな」


振り向いた秋月は、いつものいじわるな秋月に戻りニッと口の端をあげた。
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