ピアノレッスン
「やだったらやだ」

「なんでだよ、それ以上のことだってしてんだからいいだろ」


う。

なんで、今それを言うの!?


私は慌てて、机のほうに逃げた。


「でも、嫌」

「お前な・・・女とひとつ屋根の下に暮らして、どんだけ俺が・・・」


と、そこまで言いかけてやめた。


「何よ」

「いや。とにかく、ほらこっち向けって」

ぐいっと腕を掴まれて、腕の中に閉じ込められる。

力じゃかなわないから、本当どうしようもない。



「今度から1レッスンごとに1回キス、な」


秋月は机に両手をつくようにして私を閉じ込めたまま顔を近づけた。

唇に落ちてきたキスはこの間よりももっと甘くて・・・
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