ピアノレッスン
9.光の中へ
「そうだよ。俺の母さん。・・・旦那様が結婚する前に恋人同士だった」
秋月の声がずっと消えない。
私は一人ベットの中で眠れずにいた。
今夜は満月。
私はカーテンを開けたまま、ベットからその光を見ていた。
・・・・♪
すると、秋月の部屋からピアノの音が漏れ聞こえてくる。
ピアノソナタ 第14番 嬰ハ短調 Op.27-2 「月光」 第1楽章・・・
それはなんだかひどく悲しく響いている。
私はそっとベットを抜け出し、秋月の部屋へと向かった。