彼女志願!
「そういえば今日、ツトム君はどうしたの?」
話を逸らそうと、アキの年下の彼氏の名前を出すと
(ここは彼女の部屋だ)
「実験で大学に連日お泊りよ」
と、肩をすくめる。
「とりあえず飲んで今日のことは忘れなよ。次こそ誘うんだよ?」
「う、うん」
グラスにビールを注いでもらって、一気にそれをあおる。
おいしい……
お酒を飲んでふわふわしつつ、アキとの恋バナに花が咲く。
と言っても、私の場合ただ見てるだけだから、まったく進展はないんだけど――
大好きな穂積さんの話をしているだけで、幸せ。