彼女志願!
長い指。
女の顔をした蛇。
誘惑する蛇……
無垢なイブに喜びを教えた、悪魔の化身……
白い足の間に滑り込む、蛇……
脳裏に浮かんでは消えるイメージ達。
慌ててバッグからメモ帳を取り出し、そのイメージを追いかけ、書きなぐった。
ああ、せっかくデートなのに……
「ごめんなさい、穂積さん。ちょっと……」
「ええ、大丈夫ですよ」
そして彼は、コーヒーのお替りを注文して、ただ私が形にできるかどうかわからないメモを最後まで書き続けるのを、見守ってくれた。